爪切りが上手に出来ない方へ

爪を整えることは、清潔さや安全だけでなく、心や印象を整える大切なケアです。
けれども、自分で爪切りやファイリングをすると「角が残る」「割れやすい」と感じる方も少なくありません。
サロンでは、お一人おひとりの生活や好みに合わせた形や長さをご提案し、道具の使い方もお伝えしています。
今回は、爪切りがうまくできない方へ、上手に爪を整えるコツをご紹介します。
Contents
爪のお手入れ『爪切り』

普段から、サロン利用をされている方でも、まだサロンに行ったことがないという方でも、生活の中で必ず自分で行う爪のお手入れとして
「爪切り・爪やすり」
というものがあります。
爪を切る行為はいつから?

爪切りの歴史は古く、西洋における爪切りの歴史は、19世紀後半に現在の形に近い形のものが登場したのが始まりだそうです。
それ以前は、爪を切るための道具は存在していましたが、現在のような形ではなかったそう。
日本でも平安時代から爪の手入れが行われていたようです。
当時は小刀や砥石で爪を整えていて、貴族は爪を切る日を決めていたそうです。
現代のような爪切りが発明されるまでは、ナイフややすりで爪を削ったり、砥石で研磨したりしていました。
爪切りが無かった時代はどうしていたのでしょう。
原始時代は、爪は道具の一部として使われたり、生活の中で自然に短くなっていたと考えられています。
調べてみると面白いものがたくさん出てきますので、興味がある方は是非調べてみてください。
長い歴史と、試行錯誤があったのが分かります。
爪の手入れというのは原始的な始まりから、貴族や身分が高い者たちが行う手入れへと移行。
現代では生活の中に溶け込んだ、非常に文化的な行為だと言えるのではないでしょうか。
生活のしやすさを考慮し、清潔や安全というだけでなく、見た目を整える行為でもあるのが「爪を整える」という行為だと思っています。
サロンで爪を整える

ネイルサロンでは爪の長さや形を変える、整えることを「ファイリング」と言います。
ネイルケアをする際に、一緒に整えていきます。
爪の形や長さは、その方の生活や職業などによってさまざまです。
生活のしやすさを重要視するのか、おしゃれや見た目を重要視するのか、
- とにかく長いのが好き
- 短いのが好き
- 自分の爪や指が一番きれいに見える形がいい
と言った好みで決める方もいます。
爪の形のおすすめは?

サロンでおすすめしているのは「ラウンドスクエア」という形です。
先端が緩やかなカーブを描き、爪の両サイドはストレート。
先端とサイドがぶつかる角の部分はやさしい丸みを付けた、角のない形に仕上げています。
理由は、この形は衝撃に強く、自爪で過ごすのに非常に適している形だからです。
ファイリングの道具について

「ファイリング」をする際には「エメリーボード」という、自爪専用のやすりを用います。
やすりは紙でできていますが、繰り返し使用することができ、サロンに初めて来ていただいたお客様にはご自宅でのお手入れ用に、その日お手入れの為に下したエメリーボードを差し上げています。
同時にエメリーボードの使い方もお伝えしています。
個人差もありますが、爪はおよそ1ヶ月に3ミリほど伸びると言わています。
1ヶ月に一回、サロンでネイルケアをする方なら、サロンで行う以外に何回かは爪を整えたくなるのではないでしょうか。
ところが、これが意外に難しいという事で、自分で行うファイリングにストレスを抱えている方がたくさんいます。
上手に爪を整えるために

いつも通って来てくださるお客様からもよく言われることがあります。
それは「なるべく自分でファイリングしたくないんです」ということです。
とにかく自分でファイリングをすると、どこかに角が出来ているようで何か引っかかる。
だけど見えないし、触ってもよくわからない。
でも確かに何か引っかかって、爪先が割れやすくなってしまう。
だからファイリングはなるべくしないで我慢しているそう。
すると長くなり過ぎた爪が何かにぶつけたりして、結果的に割れていく。
このような循環が出来てしまうのだそうです。
そんな方の為にアドバイスできることがあるとするなら、爪の表面は削らないで、爪の厚みを削ること、です。
爪の構造

爪は三層で出来ています。
薄い縦の層に挟まれた厚い横の層という成り立ちです。
この構造が柔軟性を生んでいます。
柔軟性とは、何か衝撃を受けた際に跳ね返す弾力のことです。
これによって爪が割れることを避けるのです。
良く爪磨きなどで爪の表面をピカピカにする行為がありますが、これを過剰に行うと、爪本来の三層構造を壊してしまいます。
それによって、爪本来の柔軟性が失われ、爪先にトラブルが起きやすくなってしまうのです。
エメリーボード(爪やすり)の使い方

ご自分で、爪のやすりがけを行う際にも、、なるべく爪表面にエメリーボードが当たらないように、爪の厚みに対してまっすぐにエメリーボードを充ててみましょう。
この時力はいりません。
ただ動かせば爪は削れていきます。
エメリーボードが荒ければギザギザが残りますが、早く削れます。
エメリーボードが細かければ時間がかかりますが、なめらかに仕上がります。
力を入れて削れば爪は思ったほど削れなく、エメリーボードの目がつぶれてしまいます。
目がつぶれたエメリーボードでファイリングすると爪の形は歪んだ仕上がりになります。
上手に爪を整えるためには、お道具と技術の両方が必要です。
技術は、繰り返し練習すれば上達しますので、まずは練習という事で、始めてみてはいかがでしょうか。
爪切について

爪の長さを整える便利な道具として「爪切り」というものがあります。
なぜ爪切りをお勧めしないのか。それには理由があります。
一般的に安価な爪切の多くは刃先が狂っているものも多く、しっかりと爪が切れるものは少ないです。
また切れ味のわるいものも多く、爪をつぶすような形でカットしているものもあり、切り口がギザギザ、引っかかるような感触になることもあるでしょう。
お勧めできる爪切は、刃物屋さんで作られた切れ味の良いものです。
刃物ですから、手入れを怠ると錆びのようなものが出てくることもあります。
刃物屋さんで作られたようなブランド品、高級爪切りというのは切れ味のよさが魅力です。
高品質な刃を使用し、しっかり噛み合うよう設計されています。
余計な力をかけなくてもスパッと切れます。
硬くて厚い爪を切るときも力が必要ありません。
さらに切った爪の仕上がりが美しいのです。

ちなみに、私がサロンでネイルケアしているときに使用しているキューティクルニッパーは4本あります。
どれも日本製で新潟県や岐阜県の工場で職人さんが丁寧に仕上げてくれているものです。
良い刃物は何度か研ぎに出しながら何年も使います。同じブランドのものでも少しづつ違っているように感じて、好きなものは使用頻度が高くなります。
爪切りとキューティクルニッパーは別のものですが、刃物という点では同じです。
先に述べた新潟県や岐阜県の工場では爪切りの取り扱いもあります。
お勧めしたい爪切りはこのような切れ味の良い爪切りです。
爪切りを使用する際は、仕上がりよりも1ミリ程度長く爪を残し、エメリーボードで軽く整えるように知ると簡単に整えることが出来るので、お試しください。
まとめ

爪を整えるという習慣は、遥か昔から人々の暮らしに寄り添ってきました。
道具や方法は時代とともに移り変わりながらも、その目的は変わらず、美しさや清潔さを保つためのものです。
また、エメリーボードの使い方もぜひ参考になさってください。
爪切りについて知ることで、日々のケアをより豊かな時間へと変えてくれるでしょう。
福島市 ネイルケアサロン スプレース